2024/07/05の記事の話
目次
2024/07/05 の記事 について、予想外の反響を頂いて驚いている。ここには十分に書けていなかった、なぜこの記事を書いたのかの動機の部分を話したい。
別にこのブログには広告もなく、訪問者からなんらかの形で収益を得る方法もなく、正直 PV 数はどうでもいいので、気になった人以外読まなくて良い。
あと、先日の記事に意見あればこちらから説明したいし、疑問があれば解消させていただきたいが、いかんせん相互にやりとりできないようなサービスで発言されても反応できないので、全て答えきれないかもしれないが SNS などでお願いします。
本文
1番目の動機は、疲れていたので愚痴りたかった、以上です。
2番目の動機は、僕が情報系の大学を出てソフトウェアエンジニアになった際に感じた、エンジニアリングに対する違和感を言語化し、これからエンジニアを目指す学生(やそれ以前の若い世代)が同じような違和感を抱いたときに、見れば納得できるものを提示したかったためです。
僕は学生の頃、情報理工学を専攻しつつ電子工作やDTM(作曲)、Web系の開発などを趣味とするエンジニアでした。大学生になってから初めて情報科学やプログラミングに触れたため、はやく周りとの差を埋めないと!と、毎日がむしゃらになって取り組んでいました。
入学当初は、独学でやっていくつもりでしたが競い合えるような環境が欲しくなり、学内の情報系のサークルの門をたたきました。
ここで、先のブログで述べた「無邪気なエンジニアリング」をたくさんやって、実績も実力も兼ね備えた友人や先輩たちと出会い、徐々に自身のキャリアが形成されていきました。
よくお世話になった先輩は、Vim というエディタ関連の OSS コミッターの方、ハードからソフトまであらゆる開発をこなす器用な方、全くソースコードはかけないがパワーポイントや文章をつくるのが上手な方など、多種多様な分野から色々な物事を教えてくださいました。
全く違う分野の中でも共通していたのが「何かしらの軸を1つもってそれを尖らしている人は学生であるなしにかかわらず活躍できている」でした。
これは直接誰かが言っていたわけでもないですがふと立ち返ると、サークルや大学内で凄いなーと思っていた方は、何か1つをまず極めてから色々なものに手を伸ばしている印象でした。
僕は Web 系の開発に楽しみを見出していたので、Web 開発向けの言語やライブラリ、チームでの Web 開発に詳しくなって学内外で活躍しようと思いたちました。
特に、ものを使うだけでなく、その仕組みまで理解することを大学の授業やサークルでも叩き込まれていたので、これを意識して立ち回ってました。
この仕組みを理解しようとする立ち回り方が、冒頭で出した違和感の話に繋がります。
社会に出るまで、好んで使っていた React の内部実装を読んで勉強会を開いてみたり、Three.js やその周辺の OSS を読んでコントリビュートしてみたり、アニメーションや 3D を盛り込んだ LP を作ってみたり、自分が思うがままの Web 開発をやってきました。
就活は、これまで作ってきたものや、在学中に行っていた Web SIer でのバイトや身内で回していた受託業務、経験してきたインターンでやったことなどをお話して、特に問題なく終わりました。
内定後は、内定先の子会社でアルバイトしていました。このアルバイトでは、学生の頃から特にやり方を変えることなく振る舞い、それなりに仕事をこなせていたように思っていました。
今思えば、ここで目標設定の難しさに触れていたような気がしますが、社会人として、しかも好きなソフトウェアエンジニアリングだけやってお金をもらえる喜びでかき消されていました。
入社1〜2年目はひたすら目標設定の難しさに打ちひしがれていました。ここで思ったことを率直に話すと「エンジニアになりたいです!って言ったとき、誰もこんな話教えてくれなかった」です。
エンジニアたるもの自分で学べ!と言われそうですが、入ってそうそう「じゃあ今期はどういった成果を上げて、これを通してどう成長する?」と言われて、ささっと手を動かせるような器用な人間ではありませんでした。
むしろまるで「今まで積み重ねてきた技術を使いこなして成果を生む」とは真逆で「全く知らない技術をそれなりに使えるようになって、成果を生む」ように見受けられました。
「バックエンドをよく知らない人にバックエンドを任せられるのか?」みたく、なぜ未熟な技術を持ってして、少しでも障害を起こしてはいけないサービスを作るのか、頭の中が疑問符でいっぱいでした。
そうこうしているうちに適応するのが人間で「自分がこれまでに身に着けたと思っていた技術も、実は知らない点があったかもしれない」と、ある種の自己暗示で成長をアピールする方向に移りました。
また、定量化できないとなにも成果を伝えられないので、実装した UI やこなしたタスクは逐一カウントしてまとめることに時間を割き始めました。
改善策も、1人で技術的にこうすれば正しい!では全く評価に繋がらないので、ビジネス側の方とリーダーに説明して、いわゆる根回しを行うようになっていきました。
そうこうしているうちに3年目となり今に至ります。
これが思い描いていた将来かどうかわかりませんが、いつか「あれやっててよかったな」と言えるように、変わらない日々を過ごしていきたいなと思っています。